インフレ目標1% 日銀決定会合 10兆円

香港の活動家らが尖閣諸島(沖縄県石垣市)の魚釣島に上陸した事件で、法務省入国管理局は17日、出入国管理法違反(不法上陸)容疑で沖縄県警に逮捕された5人と、同法違反(不法入国)容疑で海上保安庁に逮捕された香港のテレビ局クルー2人の計7人を、那覇発香港行きの民間の飛行機で強制送還した. 7人を乗せた飛行機は定刻から約3時間遅れの午後6時40分すぎ、那覇空港から香港に向けて出発. 同夜、香港に到着した. また、残る船長と船員の7人は海保の飛行機で那覇空港から石垣島に移送. 石垣港から、乗ってきた抗議船で香港に向け出港した. 福岡入管那覇支局は、県警と海保から身柄の引き渡しを受け、退去強制(強制送還)に向けた手続きを進めた. 14人は不法上陸・不法入国の容疑を否定していたが、入管の手続きでは不服を申し立てなかった. 入管は中国大使館側の要望も聞いた上で、7人を飛行機で、7人を船で送還することを決定. 旅券と飛行機のチケットは中国側が用意したという. 政府は今回、不法上陸や不法入国以外に犯罪の容疑がない場合、刑事責任を問わずに強制送還する「早期決着」の方針を確認. 入管もこの意向に沿った. ■中国「強烈な非難と抗議」 中国外務省の秦剛報道局長は17日夜、尖閣諸島に上陸した活動家らの逮捕などについて「強烈な非難と抗議」を表明する談話を発表した. 秦局長は「日本が対話と協調を通して問題を解決する正しい道に戻り、実際の行動で中日関係の大局を維持するよう求める」とした. 談話は活動家らが強制送還された後で発表された. (北京). 米国からの食糧援助を巡る米朝協議に臨んだ北朝鮮外務省のアン・ミョンフン米州副局長が10日、北京の空港で記者団に「すべての実務的問題で合意し、まもなく(食糧援助が)開始される」と述べた. アン副局長は帰国に際して記者団の質問に応じ、今回の米国との協議について「実務的な討論を真摯(しんし)に建設的に行った」と述べ、成果に「満足している」と答えた. 米朝は2月に北京で行われた協議で、北朝鮮がウラン濃縮活動などを一時停止する一方、米国が栄養補助食品など24万トンを提供することで合意. 今月7、8の両日、北京で食糧支援の具体的な方法を決める協議をした. 米側代表のロバート・キング北朝鮮人権担当特使は8日、「事務的な問題は解決した」としながらも、援助の開始時期については「細部を詰めている」として明言を避けていた. (北京=林望). 日本銀行は14日の金融政策決定会合で、物価が下がり続ける「デフレ」から抜け出すため、金融政策の目安となる物価上昇率のめどを新たに「1%」と定めた. 事実上の「インフレ目標」を日銀として初めて導入したことになる. あわせて資金供給枠を10兆円増やし、追加の金融緩和にも踏み切った. 日銀は「(物価が下がり続ける)デフレ脱却と物価安定のもとでの成長に向けた姿勢をさらに明確化する」として、これまで示していた「物価安定の理解」に代わり、新たな「中長期的な物価安定のめど」を決めた. 「当面、消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるまで実質的なゼロ金利政策で金融緩和を推進する」として、事実上の金融政策の目標であることを明記した. 日銀は、政策金利(金融機関同士が無担保でお金を貸し借りして翌日返済する際の金利)の誘導目標を年0~0.1%とする事実上のゼロ金利政策を採用している. 企業や個人が低金利でお金を借りやすい環境を続け、経済が活発になってモノが売れることで物価が上がるよう促す.