マンデラの名もなき看守』マンデ

もし神様が歴史を変える偉人に使者を遣わすのなら、このジェームズ・グレゴリー氏もまたその一人でしょう. ネルソン・マンデラ元大統領が27年の投獄生活から解放されるその裏側に実在した一人の白人看守視点から描かれたこの映画は、 『インビクタス負けざる者たち』 を鑑賞後に見るとまた一味違う作品に見える映画でした. ビレ・アウグスト監督ならではのきれいな映像と簡潔・丁寧な演出にも関わらず、非常に息苦しさを感じるこの映画の前半. その息苦しさは映画にではなく、ほんの小さなチョコレートをクリスマスプレゼントとしてマンデラ夫人に手渡しただけで、黒人贔屓としてここまで酷い差別を受けなければならない現実に、そしてアパルトヘイトという政策が人の心に及ぼす歪みに、まるで独房に収監されているような息苦しさを感じました. でもそんな息苦しさから徐々に解放してくれたのは実は常に有意義な言葉を選び話すネルソン・マンデラ氏の紳士的で重みのある言動なんですよね. 看守であろうと囚人仲間であろうと関係なく常に敬意を持って接し、その結果ジェームズの息子が初めてマンデラに面会した時に「叔父に会ったような気持ち」と表したのもまさに彼の人徳を表現する最適の言葉だったと思います. ちなみに劇中でジェームズとマンデラが棒術で遊ぶというくだりが出てきましたが、この映画ではあれがジェームズの中に眠る人種融和への思いの象徴として描かれる一方で、個人的にはマンデラが大統領に就任した際に人種融和政策として「スポーツ」を選んだ原点がここにあるのではないかと思いました. それにしても史実とはいえ驚いたのが、このジェームズ・グレゴリーもまたネルソン・マンデラと同じく息子さんを亡くされたというあのくだり. 偶然とはいえ、こういう史実があると本当に神様が意図的にこの2人を出会わせたとしか思えなくなるんですよね. それを特に強く感じさせるのがやはりジェームズの最後の「GOODBYE BAFANA」というセリフ. この映画の原題にもなっているこの言葉もよくよく考えてみれば、凄く重みがあるんですよね. だって名前を付けて別れの言葉を言う相手って確実に友人以上に大切な人だけですもん. つまりこのセリフが言えたジェームズにとって「BAFANA」という懐かしき黒人少年の友人の名前はマンデラを始めとする黒人全てを表すものであると同時に、過去の自分を象徴するものであり、それに「GOODBYE」をつけることができたということは人種差別のない未来へ一歩踏み出そうとした彼なりの心の区切りをつける一言だったのでしょう. この世に偶然はなく、あるのは必然. 「とある魔術の禁書目録」のアウレオルス=イザードのセリフからの引用ですが、やはりこういう史実を知ると本当に神様抜きには語れなくなると同時に、ネルソン・マンデラ大統領の偉業の影にジェームズ・グレゴリーという一人の看守の存在ありと思えてくるんですよね. ですからよりジェームズが神様から遣わされた使者のように思える映画でした. 深夜らじお@の映画館 は偶然よりも必然を信じます. サブタイトルは「愛はこんなにグローバル」 やっぱり佐藤潤轟八千代の恋路ほど面白い話はない! しかもこの2人の恋路に真柴美月・真柴陽平・小鳥遊梢の20代3人組が首を突っ込もうとしているのがさらに面白い! 個人的には伊波まひると小鳥遊宗太の恋路よりもこちらをメインにしてほしいくらいですよ. ケータイを普通に使っているだけで文明人だと言っちゃうほど機械オンチな八千代さんのために一緒にケータイを買いに行く佐藤さん. まずワグナリア関連以外の対人関係が全くダメな八千代さんが佐藤さんの服を掴むほど緊張している姿がかわいいこと. 全面的に男性を頼る女性の守ってあげたくなるほどのかわいらしさが爆発しているんですよね. しかもケータイを新規契約できれば、「佐藤くんのを入れて」と言っちゃったりするところも、天然の女の子のかわいらしさ大爆発ですよ. 先日喜多村英梨さんが演じるキャラクター人気投票で轟八千代が見事1位になったのも、こんな姿を見れば大納得です. さてそんなかわいい八千代さんのことが心配でならないのが、八千代さんを「お嬢」と呼び、本当の妹のようにかわいがっているミッキーこと美月さん. ひょんなことから「お付き合いを前提に結婚してください」と陽平さんに惚れ込んだ梢姉さんも巻き込んでの休憩室を覗きながら八千代さんを見守る会がまぁ面白いこと. 特に男にフラれてばかりなのに男を見る目は立派な梢姉さんの指摘に慌てふためくミッキーも面白ければ、相馬博臣に対して「私、もう我慢できない! 」と言っちゃう八千代さんを見て目を輝かせる梢姉さんも面白いこと. しかしそんな覗き3人がいることも知らずでも、眠っている八千代さんにそっと毛布を掛けてあげる佐藤さんの男前ぶりは本当に格好いいこと. でもこれだけ男前なことをしていても佐藤さんの恋が報われないというのは本当に悲しいですね. いつかこのガラスのハートを持つ佐藤さんの想いが八千代さんに届きますように. 「おともだち」というカテゴリーから卒業できますように. てな訳で佐藤さんが本当に自分を食べると思ったり、それが否定されればミッキーに「食べるってなぁ~に? 」と聞いたり、ミッキーが回想する学生時代の笑顔や制服姿がめちゃかわいかったり、初めてのメールが「きょーこさん、きょうもかっこよかった」というのも何とも可愛らしかったりする八千代さんはやっぱりいいなぁ~と思えるお話でした. 深夜らじお@の映画館 は女の子に頼りにされるといつも以上にめちゃ頑張ります. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 に行こう.